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一期一会のある暮らし
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“日本の「うま味文化」を世界に!”

 “味の四大要素”とは、“咸”(しょっぱい)、“甘”(あまい)、“苦”(にがい)、“酸”(すっぱい)を指す。しかし最近ユネスコの無形文化遺産に選ばれるなど世界中で“和食”が爆発的に広まっている訳は、五番目の要素と言われる“うま味”の複合的な利用が、多くの人々の“舌”と“心”を捕らえたかららしい。

 “うま味”とは、まさに“だし”の中に存在するのだが、実は“だし”自体は、日本だけでなく世界中にある。例えば、フランスには“フォン”、“ブイヨン”、などの“スープストック”があるし、中華圏でも肉や野菜から煮出す“湯(タン)”がある。しかし“うま味”の存在を科学的にも分析し、どのような組み合わせが“うま味”の相乗効果をもたらすかを明らかにしたのは、日本だけだったのだ。

 1908年、東京帝国大学の「池田菊苗(いけだ きくなえ)」教授によって昆布から抽出された“うま味成分”(グルタミン酸ソーダ)が発見され、更に1913年、彼の弟子である「小玉新太郎」教授が、鰹節から抽出した“うま味成分”(イノシン酸)を発見するに至り、世界で“うま味”論争が巻き起こった。海外では、 人の味覚は“味の四大要素”しか感じ得ず、“うま味”というのはそれら四つの味の混合割合によって生じると捉えられていた。中には、“うま味”は“塩味”の一種だという学者や、いや“甘味”の一種だと主張する研究者も居た。“和食”の基礎であり、決して欠くことの出来ない神髄である“干し昆布”と“鰹節”の“合わせだし”が持つ深い味わいを科学的に立証するには、更に長い時間が掛かった。そしてついに2000年と2002年に人間の舌にある味蕾(うま味を感じる細胞内)に“うま味受容体”が発見され“うま味”論争は終結し、世界的に通用する「UMAMI」として、科学的にも“第五番目の味”と認定されたのである。

 人が“うま味”を“美味しい”と感じるのには、実はとても重要な理由があるという。それは“うま味成分”が人間の“タンパク質摂取”を促進させる役割を果たし、その生命維持に貢献しているからだ。実際、たんぱく質自体には“味”が無く、決して美味しいとは言えない代物であり、人が継続的にこれを摂取するには“美味しい”という“快感”が必要だった訳である。昆布に多量に含まれる“グルタミン酸”はタンパク質を構成する20種類のアミノ酸の一つで、人間の体内にも凡そ体重の2%存在している。体重60sの人なら、1.2sは“グルタミン酸”ということだ。これに、核酸の一種である“イノシン酸”を合わせると“うま味”の相乗効果が生まれ、それぞれ“だし”単体の“美味しさ”の何と7倍もの“美味しさ”を感じられることが実験で証明されている。更に“干し椎茸”に含まれる“グアニル酸”や、“貝類”に含まれる“コハク酸”といった核酸系の“うま味”成分を複合的に利用することによって、“うま味”の相乗効果がますます高まり、“和食”の類まれなる“美味しさ”が強烈に発揮されるのである。

  日本では千年を超える“時の流れ”の中で、先人たちが“うま味”のある素材を取捨選択し、洗練し、“和食”という素晴らしい食文化を作り上げた。その礎となる「うま味文化」を今、我々が世界に発信する時代になったと言えよう。

文 国影 譲

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