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一期一会のある暮らし
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魅惑のアロマ、「コーヒー」譚
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 このコラム欄の構想やファクトチェックしてくれている友人に言わせれば、「コーヒー」とは、生活のさまざまな場面で活躍する「スイッチ」のようなものなのだそうだ。なるほど“緊張”から“緩和”へ、或いは“緩和”から“緊張”へと転移する感情の変化を支えてくれる“魔法の飲み物”こそが「コーヒー」の本質なのかも知れない。カップから立ち上る深い香りは、人の感情を揺さぶる。
 昔見たアメリカの西部開拓時代の映画では、“幌馬車隊(ほろばしゃたい)”の人々が多くの困難を乗り越えてキャンプ地に到着し、“チリビーンズ”のような簡素な食事をしたあと、ホーロー製のマグカップに注がれた濃い「コーヒー」を美味しそうにすすり、ひどい緊張状態からほっと一息入れる場面が描かれていた。そしてつい最近の映画では、腕利きの“為替トレーダー”が、24時間休まない世界の金融市場で、常に緊張状態を強いられる取引に入る前に、アシスタントの女性に「悪いが、濃いコーヒーを一杯、持って来てくれないか。」という場面が印象的だった。そこに居る人々の心の動きを映す“小道具”は「コーヒー」だ。
 “緊張”から“緩和”更に“緊張”へと目まぐるしく自分の精神状態をコントロールしなければならないのが“映画俳優”という仕事なのだろう。何しろ監督の「スタート!」、「カット!」の一声で、何百回となくそれを繰り返す訳だから。名優と言われる「高倉健」さんは、1日50杯の「コーヒー」を飲んでいたという伝説がある。日本では、まだまだ「コーヒー」を飲む習慣が広まっていなかった昭和30年代は撮影所近くの喫茶店から出前してもらって飲んでいたが、後年は撮影所にポットを持ち込んで飲んでいたと多くの映画関係者が証言している。
 フランスの英雄「ナポレオン・ボナパルト」も、大の「コーヒー」好きで有名だ。特に角砂糖にブランディーを浸して火を点け、青い炎が上がるとそれを「コーヒー」に入れるという“カフェ・ロワイヤル”が大好きだったとか。又、彼は歴史上初めて、正式に軍隊の飲み物として「コーヒー」を認めた将軍でもあった。
“音楽家”の世界でも、「コーヒー」愛好家は数多い。「バッハ」は、あまりにも「コーヒー」が好き過ぎて「コーヒー・カンタータ」という曲を作って大ヒットさせたし、「ベートーヴェン」は毎朝きっちり60粒のコーヒー豆を数え、一粒も違わない事を何度も確認してから自分で粉に引き、「コーヒー」を淹れたという。
 最後に、「コーヒー」よもやま話をいくつか。まず、糖尿病やがん、動脈硬化などの予防に効果があると言われるポリフェノールが「コーヒー」一杯(約140cc)には約280mg含まれており、これは赤ワインと同程度だ。次に日本では高級コーヒーの代名詞である“ブルーマウンテン”は、世界ではほとんど知られていない。なぜなら、総生産量の80%以上を日本が輸入してしまうかららしい。
更に、日本に初めて「コーヒー」が入ってきたのは“江戸時代”で、長崎の出島にオランダ商人が持ち込んだとの事。ただ本格的にこれを広めたのは、「シーボルト」で、「骨喜(コッヒー)」という薬として紹介している。「コーヒー」には愛好家が多く、豆の挽き方から淹れ方、飲み方まで、皆一家言有るのが楽しい。

文 国影 譲

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