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一期一会のある暮らし
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魅惑のアロマ、「コーヒー」譚
(上)

 “嗜好品(しこうひん)”とは、栄養分としては直接必要なものではないが、その人の好みによって味わいを楽しむ飲食物とある。酒やタバコ、お茶や菓子等、数多ある“嗜好品”の中でも圧倒的に人気が有り、多くの人々が愛飲するもの、それが「コーヒー」だ。その証左と言っては何だが、世界の一次貿易産品(加工せず売買する原料)第一位の“石油”に続き、第二位を占めるのが「コーヒー豆」であることをご存じない方々も多いだろう。如何に世界中で愛されているかだ。
 「コーヒー」は、エチオピア原産と言われる“アカネ科”の常緑樹「コーヒーノキ」(正式な和学名であり、あくまで「コーヒーの木」ではない!)の種子である。「コーヒーノキ」の種を蒔き、発芽すると2〜3年で成木となりジャスミンのような芳香を放つ清楚で白い花が咲くが、それも3日ほどで散り、後に緑色で楕円形球状の果実をつける。それが7〜9ヵ月経つと“真っ赤”に色付くことから「コーヒーチェリー」と呼ばれる。「コーヒーチェリー」には、ほとんど果肉が無く、中身は私達がよく知る「コーヒー」の生豆(なままめ)が向かい合わせに二粒並んでいる。「コーヒーチェリー」自体は、そのまま食べると若干甘みがあるが、美味しいというほどではないようだ。ただエチオピアなどでは、これをジャムにして食べる習慣があると聞く。いずれにしても、中身の生豆にこそ世界が欲しがる「コーヒー」の価値が有り、これだけを取り出して乾燥させる訳だ。

  「コーヒー」好きの方は知っておられるだろうが、「コーヒー」にはいくつかの“伝説”がある。最も有名なのはエチオピアの“山羊飼い”の少年の話だろう。或る夜の事、“山羊飼い”の少年が山羊達を見ていると、一部の山羊が飛んだり跳ねたりして騒いでいる。狼でも紛れ込んだのかと目を凝らすと、どうやら木に生った“赤い実”を食べているようだ。少年も真似をしてその“赤い実”を食べてみると、不思議なことに気分爽快となり、身体の内側から力が湧いてくるようだった。そんな少年のもとをイスラム教の僧侶が訪れ、同じく“赤い実”を食べてみると、修行中の眠気も去り気分爽快となった。これは凄いものを見つけたと早速僧院に持ち帰り、他の僧侶達にも分け与えたところ、その効用が大評判となった。こうして「コーヒー」はイスラム社会から始まり、世界に広まっていった。
 
  「コーヒー豆」と「カカオ豆」の間には、何か関係が有るのではないかと思われている方も多いようだが、実は植物の種類として全く違うものだ。上述の通り、「コーヒー豆」は、“アカネ科”の「コーヒーノキ」から採れるが、「カカオ豆」は、“アオギリ科”の「テオブロマ・カカオ(神の食べ物の意)」から採れる。「コーヒー豆」はその実である「コーヒーチェリー」の中に“2粒”しかないが、「カカオ豆」はその実である「カカオポッド」の中に“30〜50粒”入っている。両者の間にある唯一の類似点はその栽培域だろう。「コーヒー」が採れる「コーヒーベルト」は赤道を挟んで北緯25度から南緯25度。「カカオベルト」は北緯20度から南緯20度に位置する国に限られるのだ。

文 国影 譲

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