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一期一会のある暮らし
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「ロゴ」が私達に、もたらしたもの!!

  今、私達が住み暮らす日常に、あふれるほど存在している「ロゴ」。テレビを見ても、買い物に出かけても、部屋でゆっくりしている時でさえも、私達の目には様々な「ロゴ」が飛び込んで来る。日本ではよく「ロゴマーク」という表現を使うが、これは実は“和製英語”であり世界では通用しない。国際的には「ロゴタイプ」と言う。「ロゴ」という名称は、ギリシャ語の“ロゴテュポス”に由来しており、その意味するところは“言葉”である。つまり“言葉”を象徴的に表現した“形”が「ロゴ」なのだ。「ロゴ」には「ブランドロゴ」、「企業ロゴ」、「製品ロゴ」など数多くの種類があるが、いずれも「ロゴ」を通じて大勢の消費者やそれぞれが
ターゲットとする人々に語り掛けたい“言葉”があるという訳だ。
 120年という永い生産の歴史を持つ「今治(いまばり)タオル」は、今では、最高級タオルの代名詞として、国内認知度80%を超える一大ブランドとなっている。ところが2006年には海外で生産された“安価”な製品にシェアを奪われ、瀕死の状況にあった。“良い製品さえ作っていれば必ず売れる!”というお題目だけを信じて、衰退という現状から目を背けた結果、驚くほどの借金にまみれた町工場だけが残った。最盛期の五分の一まで生産量が減少してしまった時、彼らが選んだ道はクリエイティブディレクター「佐藤可士和」氏とその制作集団である「(株)SAMURAI」に「今治タオル」ブランドの“再生”・“復興”を託すことだった。託された側の「佐藤」氏にも、当初から「今治タオル」への好印象があったという。“使っていても、体を拭くという感覚じゃない。肌に当てるだけで、タオルが水気をどんどん吸い取ってくれる!”。「佐藤」氏の「ブランディング(消費者からの信頼感を醸成し、商品価値を高めて競合他社との差別化をすること!)」の中心は、自分達の“伝えたい言葉”を具現化した「ロゴ」と世界に通用する品質だったようだ。今では多くの人々が一目でわかる「今治タオル」の「ロゴタイプ」。赤の部分は“産地の活力”、青の部分は“豊かな水”、白の部分は“タオルの優しさ、清潔感”だという。この「ロゴ」に信頼を寄せる消費者の何と多いことか。ここに「ロゴタイプ」が私達にもたらした大きな意義がある。
 今の時代、企業やブランド、製品に至るまで消費者の目は厳しく注がれている。「ロゴ」もただ単に恰好が良いなどというレベルでは通用しない。消費者はその裏にある“企業理念”や“ストー
リー”を欲しており、信頼への尺度としている。先進的な工業製品の「デザイン」ばかりでなく、「ロゴデザイン」の作り手として世界的に有名な“インダストリアルデザイナー”「レイモンド・ロー
ウィ」は、これもまた有名な著作「口紅から機関車まで」の中でこう述べている。「無駄な装飾を排して、物の持つ実用的構成に“美”を見出す。つまり、引き算の美学こそ近代美術がもたらした大きな一歩なのだ!」確かに彼の作品である「ロゴ」を見るとそれが具現化されている。有名な「ラッキーストライク」というタバコの「ロゴ」は彼の代表作でもあるが、赤と白の単純な構成が美しい。多数の色彩を避けることによって、美を見出す。「ロゴ」の作り手の“矜持”がここにある。

文 国影 譲

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