TWO-ONE STYLE
TWO-ONEな暮らし TWO-ONE STYLE
トピックス 店舗検索 取扱商品のご紹介 イベント&サービス TWO-ONEな暮らし お問い合わせ
「童話」に託された思いとは?

 「童話」と言うと、親が子供に読み聞かせる情景や、子供が「童話」の絵本を夢中になって読んでいるところを思い浮かべる方が多いだろう。しかし今や大人が“人生の楽しさ”を求めて押し寄せる「ディズニーリゾート」では、「童話」の世界をアトラクションやショータイムの題材として徹底的にエン
ターテインメント化し人気を博している。もはや「童話」は子供達だけのものではないのだ。そしてそれを誰よりも早く、しかも強く感じていたのは「ウォルト・ディズニー」その人であった。映画がトーキーの時代に入ると直ぐに、“花と木”や“蒸気船ウィリー”などの短編アニメーションを制作して喝采を浴びた「ウォルト」は、やがて長編アニメーション映画を作りたいという夢を抱いた。その時、大人も子供も一緒になって楽しめる題材が最も重要なキーとなった。1937年12月21日、「ウォルト」は世界に先駆けてオールカラーの長編アニメーション映画を公開したが、その題材となったのは、「グリム童話」でお馴染みの「白雪姫」である。
 今、私達が「童話」の作者といって思い浮かべるのは、「イソップ」、「グリム兄弟」、「アンデルセン」、「ペロー」が有名だろう。ただ、一口に「童話」と言っても、その出自は“民話”、“寓話”、“空想”、“私小説”と様々である。例えば、紀元前6世紀のギリシャで“奴隷”の身分だった「アエソポス(イソップ)」は、当時の“民話”や“寓話”を基に、有名な「うさぎとかめ」や「蟻とキリギリス」など、動物達を擬人化した「童話」を物語る天才だったと言われる。そのあまりにも見事な“童話作り”の才能を買われて、奴隷の身分を逃れたらしい。また、「眠れる森の美女」や「長靴をはいた猫」などの作品で有名な17世紀フランスの詩人「ペロー」や、「ヘンゼルとグレーテル」、「ラプンツェル」、「赤ずきん」などの作品群を生み出して、18~19世紀にドイツで活躍した「グリム兄弟」は、文学的な見地から“民話”や“寓話”を分析・再構築した作品が多い。これらは“メルヒェン(ドイツ語)”と呼ばれる。これに対し、19世紀デンマークで活躍した「アンデルセン」は、“民話”や“寓話”ではなく自らの内面を色濃く反映した「みにくいアヒルの子」や「マッチ売りの少女」、「雪の女王」等“空想的”、“私小説的”な作品が多く、これらは“ファンタジー”と分類される事が多い。

 ここに若き日の「アンデルセン」が、尊敬する「グリム兄弟」を訪問した時の話が残されている。約束も無しに突然「アンデルセン」が訪問した時、運悪く兄の「ヤコブ・グリム」しかおらず、しかも「ヤコブ」は「アンデルセン」の事をあまり知らなかった為、その対応は冷たいもの
だったようだ。落胆した彼は、寂しくデンマークに帰国したが、その後、新進気鋭の「アンデルセン」の事を良く知っていた弟の「ヴィルヘルム・グリム」が兄に事情を話し、今度は「グリム兄弟」揃って「アンデルセン」を訪ね、以来両者の間には良い関係が続いたという。
 「童話」は元々、幼い子供達に“常識”や“善悪”を教える為の手段であった。だからこそ、社会の“常識”や“善悪”の基準が変化すれば「童話」もまた変化していく。現代は、新しい価値観による新しい「童話」が生まれる時代でもある。

文 国影 譲

  このページの先頭へ  
   
ホームセンターナフコのサイトへ HOMEへ TWO-ONE STYLEトップへ TWO-ONE STYLEトップへ