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 「瑞穂」は「米」のパラダイス!

  京都洛北のいささか不便な所に、日本料理店「草喰(そうじき)なかひがし」はある。なかなか予約の取れない事でも知られる名店だが、これだけ食通たちに愛されるには訳があるのだ。ご主人自ら野で摘む草花や、地元で獲れるジビエを最高の料理に仕立て上げる腕もさることながら、開店以来全くぶれない、あくまで“メインディッシュ”は、“ご飯”だという姿勢が、強烈な支持を集めている。

  “おくどさん”(京都では“かまど”のことを敬愛を込めてこう呼ぶ。)で一人前づつ、丹精込めて炊き上げられた“ご飯”の味と香りは、日本人のDNAの中に確かに存在する「米」への執着や郷愁、或は幼い頃の食事シーンを髣髴とさせる。

  「古事記」や「日本書紀」にある“日本”の美称「豊葦原千五百秋瑞穂国(とよあしはらの ちいおあきの みずほのくに)」とは、豊かな葦の生える低湿地に、悠久の時にわたって、瑞々しい稲穂がたわわに実っている国の意味であり、我が国が大陸からの「米」の伝来と、国土全体での「米」の耕作及び“米食”を“国の礎”としていることが分かる。“日本”と「米」は切っても切れぬ縁で結ばれており、何と江戸時代までは、「米」に貨幣と同じ価値を見出していたのだ。

  今から2500〜3000年前に中国の福建省辺りから日本に伝来して来た「米」は、現代で言うところの古代米の一種「赤米」であったらしい。「赤米」は、とても生命力が強く、荒れた土地や痩せた土地でも耕作出来た為、日本全土に広まった。江戸時代の末期まで、全国で「赤米」が生産されていたという記録もある。また「赤米」の“突然変異種”である「白米」は、高貴な「米」として珍重されたが、大変耕作が難しく、天皇や限られた貴族たちだけが口に出来るものだったようだ。

  「赤米」も「白米」も品種としては“ジャポニカ米”であり、丸く短い“短粒種”に属する。これに対しタイ米等は“インディカ米”と呼ばれ、粒が細長い“長粒種”に属し、調理してもパサパサ感が残る。ジャポニカ米”は“炊く”という独特な調理法によって、“弾力性”や“しっとり感”、“程良い甘味”等が得られ、和食の持つ“奥深い美味しさ”を支えていると言っても過言ではないだろう。

  現在では毎年11月23日は「勤労感謝の日」という国民の休日だが、元々は“大祭”と呼ばれる宮中祭祀の一つで、天皇陛下がその年に収穫された“五穀”を日本神話に登場する神々に捧げて“豊作”を感謝する「新嘗祭(にいなめさい)」という“収穫祭”だった。又、「神嘗祭(かんなめさい)」は、毎年10月17日に「伊勢神宮」で行われる“収穫祭”で、“五穀”を天照大神に捧げるお祭りであり、この日が「伊勢神宮」の正月だと言われている。「新嘗祭」も「神嘗祭」も具体的には、その年の“初穂”つまり初めて収穫された“稲穂”を神に捧げる訳で、正に“日本国”の存在と「米」の関係がはっきりと見て取れる。最後に今年行われる「大嘗祭(だいじょうさい)」について述べよう。「大嘗祭」は天皇の代替わり後、初めて行われる「新嘗祭」の事で、その意味では天皇の在位中に、唯一度だけ行われるという特殊性がある。「令和」の「大嘗祭」は11月14,15日に、皇居の東御苑に設置された「大嘗宮(だいじょうきゅう)」で執り行われる。

文 国影 譲

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