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おまけと付録のパラダイス!

  「おまけ」とは、「負け」から生まれた言葉だ。物々交換から貨幣経済に移行し、“商人”と“顧客”という関係が確立されると、出来るだけ利益を上げたい“売り手”と少しでも良い物を安く買いたい“買い手”との間で、“丁々発止”のやり取りが行われるようになった。ただ“商人”としても、利益は上げたいが、一方で何度も商品を買ってくれる“優良顧客”を数多く持ちたい訳で、そう強い事ばかりは言っていられない。そこで「お客様には負けました!」の言葉を添えて、若干の値引きや、対象商品に更に何かをサービスで付けて売るようになったらしい。この「負けました!」が、つまり「おまけ」の元の形という訳なのだ。
私達“団塊の世代”にとって、「おまけ」と言って直ぐに思い出すのはやはり「グリコのおまけ」だろう。1922年の発売以来、一時も欠かさず本体の菓子に寄り添った「おまけ」は、時代々々の世相を反映しながら、子供たちの遊び心を支えてきた。そんな「グリコのおまけ」はどのようにして生まれたのだろうか。

  「江崎グリコ」の創業者「江崎利一(えざきりいち)」氏は、牡蠣の煮汁から 取った“グリコーゲン”をキャラメルに添加して、育ち盛りの子供たちに食べて欲しいと考えた。その為に“子供の世界”と真摯に向き合った末、子供にとって幸せな二つの時間とは“食べる時”と“遊ぶ時”だという結論に辿り着いたのだと言う。そこで単に“キャラメル”だけを販売するのではなく、同時に楽しく遊んでもらうために、様々な“玩具”を「おまけ」として付けることを考え出したのだそうだ。こうして「食玩(しょくがん)」という分野が生まれたのである。 コレクター魂を揺さぶるような秀逸な“玩具”は、「グリコ」発売以来の総数が 55億個を超えたと聞く。「グリコ」の成功に触発されて、「食玩」の世界は更に 進化し、“ビックリマン・シール”などのキャラクター物や、世界に誇る“造形家集団”「海洋堂」によるフィギュア物など、単なる「おまけ」という概念を遥かに超えた芸術の域にまで達しており、世界から注目される分野となっている。

  「どうです?このバッグ?」と仕事先の女性が肩に掛けた“モノ”は、一目見て“高級感”が漂う逸品であった。「これ、雑誌の付録なのです!」という彼女の言葉に驚いた。どうやらこの“出版不況”の真っ只中にあっても、「豪華付録」付き“ファッション雑誌”が売れているとの事。確かに一昔前から年末になると“家計簿”を「付録」に付けた“女性雑誌”が書店の店頭に山積みになっているのを見たことはあったが、この「付録」のクオリティは次元が違う。調べてみると、「宝島社」という出版社が“火付け役”らしい。
2004年に「蓮見誠一」社長が「全雑誌、毎号、付録を付ける!」と宣言して以来、「いかにもおまけというような“付録”が付いた雑誌など絶対に買わない!」という厳しい消費者にも選ばれる“モノ”を作り続けている。
千円未満の“雑誌”には、売価の20%未満の原価の「付録」しか付けてはならないという「景品表示法」の制限を受け、 更に製造先である国々の“人件費”や“原材料費”の高騰と闘いながら、「付録」の“パラダイス”を守り続ける彼らには“作り手の心意気”というものを感じる。

文 国影 譲

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